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BtoBリスティング広告のキーワード選定|商談につながる検索意図の分け方

BtoBのリスティング広告でキーワード選定を行うとき、検索数ではなく商談確度と許容受注CPAから優先順位を決める実務を解説します。

BtoBリスティング広告のキーワード選定|商談につながる検索意図の分け方
この記事で分かること
  1. BtoBのキーワード選定で最初に決める数字
  2. 商談確度で検索意図を4群に分ける方法
  3. 担当者と判断基準を含む6段階の実行手順
  4. 事例と継続・停止の判断
  5. チェックリストと最初の4週間

この記事の結論

BtoBリスティング広告のキーワード選定は、検索ボリューム順ではなく「受注に近い行動語」「解決したい課題語」「対象企業の条件語」の組み合わせから始め、問い合わせ後の有効率と商談獲得単価で広げるのが結論です。

初期は、サービス名に「費用」「比較」「見積もり」「導入」などを掛け合わせた検討後半の語句へ予算の60〜70%を配分します。残りを課題語の検証に使い、「対象企業の商談が許容単価内で取れた」検索意図だけを残します。

配信前に許容受注CPAを決め、配信後は検索語句とCRMを週1回突合します。たとえば初年度粗利120万円のサービスで、広告に使える比率を30%とするなら、許容受注CPAは「1,200,000円×30%=360,000円」です。受注率が商談の25%なら、許容商談獲得単価は「360,000円×25%=90,000円」。この2つが、入札単価や検索ボリュームより先に置く判断軸です。

BtoBリスティング広告のキーワード選定は検索意図を4群に分ける

キーワード候補は、指名・導入検討・課題解決・情報収集の4群に分け、同じ予算と目標CPAで混ぜないことが重要です。

検索意図語句の例期待する行動初期の扱い
指名サービス名、会社名、評判問い合わせ、商談予約取りこぼしを防ぎ別集計
導入検討費用、比較、見積もり、代行、導入資料請求、相談最優先で60〜70%を配分
課題解決工数削減、属人化 解消、管理 効率化事例閲覧、資料請求業種・用途を掛け合わせて検証
情報収集とは、やり方、テンプレート、無料学習、比較前の理解広告は抑え、SEOや再接触へ回す

「勤怠管理とは」は学習意図、「勤怠管理システム 比較」は導入検討、「建設業 勤怠管理 GPS」は条件と課題が具体化した検索です。語数ではなく、誰が何を解決し、どの行動を取ろうとしているかで優先します。

関連語は、費用・料金の価格語、比較・選び方の比較語、導入・見積もり・相談の行動語、業種・規模・地域・用途の条件語です。「無料」「求人」「資格」「個人」などが対象外なら理由を付け、営業担当者が除外の妥当性を確認します。

検索ボリュームより事業関連性・競合・検討段階で優先順位を付ける

事業関連性40点、検討段階30点、粗利との整合20点、競合の強さ10点の100点で採点すると、感覚差を減らせます。

関連性は提供対象か、検討段階は30〜90日以内に相談へ進み得るか、粗利との整合は想定CPCと受注率で許容CPAに収まるか、競合は大手だけで占有されていないかで評価します。検索ボリュームは配信量の補助指標です。

「人事 システム」より、対象部署、課題、商材、行動がそろう「製造業 シフト管理 システム 比較」を優先し、検索意図ごとに広告文とLPを合わせます。

キーワードと検索語句は別物です

キーワードは広告主が登録する語句、検索語句は利用者が実際に入力した言葉です。Google広告公式では、完全一致でも同一表記だけでなく同じ意味・意図の検索が対象になり、フレーズ一致やインテントマッチほど対象範囲が広がります。登録語だけで安全性を判断せず、配信後に検索語句を確認してください。

BtoBキーワード選定を6段階で実行する手順

営業データから逆算し、候補作成、意図分類、採算確認、構成、配信後判定までを6段階でつなぎます。

  1. 許容単価を決める。候補抽出前に、マーケティング責任者と経営担当者が初年度粗利、広告比率、商談受注率を確認します。「粗利×広告許容比率」を許容受注CPA、「許容受注CPA×商談受注率」を許容商談獲得単価とします。
  2. 受注・失注の言葉を集める。営業責任者が直近6〜12か月のCRM、商談メモ、問い合わせ文から課題語、比較語、用途語、条件語を抽出し、受注案件で3回以上現れた表現を優先します。
  3. 検索意図を4群へ分類する。広告担当者が指名・導入検討・課題解決・情報収集へ分け、対象部署、業種、規模、地域、行動の有無を記録します。30〜90日以内の相談可能性が高く、提供条件に合う候補を70点以上として初期配信へ進めます。
  4. 採算と流入量を試算する。予測値、想定CPC、LPのCVR、有効率、商談化率を使います。想定受注CPAが許容値の120%を超える候補は小さく試すか、SEO記事へ回し、配信後の実績で更新します。
  5. 広告グループとLPを検索意図でそろえる。広告担当者とLP担当者が配信開始3営業日前までに、導入検討、業種課題、指名を分けます。同じLPを使う場合も、広告見出しとファーストビューで対象者、課題、価格条件、相談後に得られることを一致させます。マッチタイプは意図の確度とデータ量で選び、表記違いを大量に重複登録しません。
  6. 7日ごとに判定する。広告担当者が検索語句と費用、営業担当者が有効、対象外理由、商談、受注を翌営業日までに入力します。50クリックで有効0件なら修正。有効率50%以上かつ商談単価が許容内なら継続し、商談5件後に予算を最大20%増やします。

詳しい配信後の振り分けはリスティング広告の検索語句分析で無駄クリックを減らす方法、投資上限はリスティング広告の費用対効果を高める予算設計とセットで使うと、設計と改善が分断されません。

事例:問い合わせCPAより商談獲得単価を優先したキーワード再設計

フォーム件数が減っても、有効率・商談数・受注CPAが改善するなら、BtoB広告では成功と判断できます。

次は施策判断を説明するモデル値です。業種は製造業向け設備点検SaaS、月予算60万円、初年度粗利120万円、許容受注CPA36万円とします。開始時は広い課題語を同じ広告グループで配信し、月480クリック、フォーム24件、問い合わせCPA25,000円、有効問い合わせ8件、商談3件、受注1件、商談獲得単価200,000円、受注CPA600,000円でした。無料テンプレートを探す個人、資格学習、点検代行の依頼が混ざり、営業の追客工数も増えていました。

営業メモを確認すると、受注企業は「設備点検 システム 比較」「製造業 点検記録 クラウド」「点検表 デジタル化 見積もり」と検索意図が具体的でした。そこで、導入検討語へ予算65%、製造業の課題語へ25%、指名へ10%を配分。情報収集語は原則止め、業種・用途が付く場合だけ少額で検証しました。広告文とLP冒頭には「製造業」「紙の点検記録をクラウド化」「法人向け」「導入相談」を明示し、フォームには設備数と導入時期を追加しました。

指標改善前改善後判断
広告費600,000円640,000円有望群へ増額
フォーム件数24件20件件数だけなら悪化
問い合わせCPA25,000円32,000円単独では評価しない
有効問い合わせ8件12件有効率33%→60%
商談3件7件3件→7件
商談獲得単価200,000円91,429円54.3%改善
受注/受注CPA1件/600,000円2件/320,000円許容36万円以内

計算は「640,000円÷7商談=91,429円」、「640,000円÷2受注=320,000円」です。改善後は問い合わせCPAが28%上がりましたが、受注CPAは46.7%下がり許容値内に入りました。このため導入検討群は継続し、7商談のうち受注に至らなかった理由も確認します。課題語群は50クリック単位で有効率を見て、対象外が半数を超える語句だけを停止します。

入札強化より先に対象者と課題をそろえ、対象外クリックと営業工数を減らしました。継続条件は有効率50%以上、商談単価90,000円前後、受注CPA360,000円以内。停止条件は50クリックで有効0件、または推定受注CPAが432,000円を超える状態です。受注結果を戻す設計はGoogle広告のオフラインコンバージョンとCRM設計を参照してください。

配信前にキーワード別の受注CPAを試算する

想定受注CPAは「想定CPC÷フォームCVR÷有効率÷商談化率÷商談受注率」で計算できます。

想定CPC1,200円、フォームCVR4%、有効率50%、商談化率50%、商談受注率25%なら、「1,200÷0.04÷0.50÷0.50÷0.25=480,000円」です。許容受注CPA36万円を33%上回るため、このままでは拡大しません。CPCだけを下げるのではなく、検索意図とLPをそろえてフォームCVR5%、有効率60%にできるなら、「1,200÷0.05÷0.60÷0.50÷0.25=320,000円」と許容内になります。

試算で弱い候補は即除外せず、少額検証、価格条件を示すLP、SEO記事を比較します。日別CVRで判断せず、50クリック、有効5件、商談5件など意思決定単位を決めます。週次報告は広告運用レポートを売上改善につなげる実務テンプレートが使えます。

よくある失敗と修正方法

失敗の中心は、候補不足ではなく、異なる検索意図を混ぜて問い合わせCPAだけで最適化することです。

失敗起きる問題修正方法
検索数が多い語から始める情報収集や個人需要へ費用が流れる行動語・条件語がある検討後半を先にする
表記違いを大量登録する管理が増え、意図別の判断がぼやける意味単位で整理し検索語句で差分を見る
完全一致なら安全と考える同じ意味・意図の対象外検索が混ざる週次で検索語句と対象外理由を突合する
「無料」を一括除外する無料相談など有望な検索まで失う実際の検索語句と対象外理由を見て追加する
フォーム件数だけで勝敗を決める対象外問い合わせを学習・拡大する有効、商談、受注をCRMから戻す
広告文とLPを共通化する検索者が自分向けと判断できない業種、用途、価格条件、行動を冒頭で一致させる
1週間で予算を大幅変更する曜日差と少数データを成果差と誤認する件数基準を満たしてから最大20%ずつ変える

修正は一度に一種類に限定します。変更日、担当者、対象検索意図、期待値、採用・停止条件を記録し、次の週次会議で判定します。

そのまま使えるBtoBキーワード選定チェックリスト

配信開始前は採算・営業データ・意図・LP、開始後は検索語句・CRM・変更履歴の順で確認します。

  • 商品別の初年度粗利と許容受注CPAが決まっている
  • 商談受注率から許容商談獲得単価を計算した
  • 受注・失注案件の商談メモを6〜12か月分確認した
  • 候補を指名・導入検討・課題解決・情報収集に分けた
  • 費用、比較、見積もり、導入などの行動語を含めた
  • 業種、規模、地域、用途など対象条件を含めた
  • 対象外語には営業が確認した理由がある
  • 事業関連性と検討段階を含む100点評価を付けた
  • 検索意図ごとに広告グループ、広告文、LPが一致している
  • 検索語句とCRMを問い合わせIDで照合できる
  • 有効・対象外理由・商談・受注を翌営業日までに入力できる
  • 50クリック、有効5件、商談5件など判定単位を決めた
  • 継続、保留、停止、拡大の数値基準を記録した
  • 変更は一回一種類、増額は最大20%にしている

最初の4週間の実行計画

1週目に採算と候補、2週目に小さく配信、3週目に営業結果、4週目に商談単価で予算を判断します。

  1. 1週目:逆算と分類。経営が許容CPA、営業が受注・失注語、広告担当が候補と競合をまとめます。4群に分け、70点以上の導入検討語と条件付き課題語を選びます。
  2. 2週目:計測と配信。広告・解析担当が問い合わせID、フォーム、CRMを確認。予算の60〜70%を導入検討群へ置き、広告文とLPをそろえます。日次は不承認、欠損、急な費用増だけを監視します。
  3. 3週目:検索語句と有効率。広告担当者が検索語句を出し、営業担当者が対象外理由を分類します。50クリック以上で有効0件の意図は停止候補、有効率50%以上は継続候補にします。除外は対象外理由が一致する語句から追加します。
  4. 4週目:商談で投資判断。商談5件以上の群は商談獲得単価と推定受注CPAを計算します。許容内なら予算を最大20%増やし、120%超なら語句・広告文・LPの一つを修正。件数不足は保留し、同じ条件で期間を延長します。

公式情報とこの記事の前提

媒体仕様はGoogle広告の公式ヘルプを2026年9月4日に確認し、更新日の表示がないページは参照日を基準にしています。

マッチタイプや自動入札は検索の意味・意図も使うため、特定設定を一律の正解とせず、自社の検索語句・商談・受注で検証します。

BtoBリスティング広告のキーワード選定に関するFAQ

よくある疑問は、キーワード数ではなく、採算と商談データで答えると実務へ移しやすくなります。

Q1. BtoBのキーワード数は何個が目安ですか?

固定の正解はありません。月予算60万円なら20〜50個程度から始める考え方はありますが、重要なのは各検索意図が判定件数へ届くことです。

Q2. 完全一致だけで始めるべきですか?

初期検証では有効ですが、完全一致でも同じ意味・意図の検索が対象です。検索語句を確認し、安定した群は対象を段階的に広げます。

Q3. 除外キーワードはいつ追加しますか?

配信前は明らかな対象外だけにし、開始後は週1回、検索語句と営業の対象外理由が一致したものを追加します。単語単位の一括除外は、有望な複合語まで失う可能性があるため避けます。

Q4. 検索ボリュームが少ないときはどうしますか?

検討後半の語を残したまま、業種・用途・課題語を段階的に広げます。広告だけで母数が足りない場合は、情報収集語をSEO記事で獲得し、事例・比較資料・相談導線へつなぎます。期間を延ばす場合も継続条件は変えません。

Q5. 問い合わせCPAが悪化したら停止すべきですか?

停止しません。有効率、商談数、商談獲得単価、受注CPAを確認します。事例のように問い合わせCPAが25,000円から32,000円へ上がっても、受注CPAが600,000円から320,000円へ下がり許容値内なら、売上目的では改善です。

編集方針

著者・編集主体は株式会社 Soo Grow Partners 編集部です。事例の数値は施策判断を説明するモデル値であり、実在案件の成果を示すものではありません。実際の継続・停止基準は、自社の粗利、営業期間、商談受注率、計測環境に合わせて調整してください。

集客の課題を、成長のきっかけに

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